建設地:福岡県福岡市中央区大濠1丁目1番1号他
主構造:鉄骨造、一部RC造
敷地面積:20,666㎡
建築面積:約7,100㎡
延床面積:約20,900㎡
規模:地下1階、地上4階
設計者:隈研吾建築都市設計事務所
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新福岡県立美術館は、「新福岡県立美術館基本計画」(2021年)で示された4つのコンセプト「芸術の可能性を拡げ、挑戦する美術館」「九州・福岡県の文化芸術の発展に貢献する美術館」「県民が親しみ、誇りを育む美術館」「公園と一体となった美術館」の実現に向けて、建物の基本設計を行いました。新しい美術館は地下1階、地上4階建てとなり、レストランやミュージアムショップ、日本庭園を併設します。
ここでは、建物に注目し、その特徴や機能について紹介します。
建物の高さを、隣接する日本庭園に向かってステップダウンさせることで、庭園との一体化を促し、周囲の環境と調和した美しい空間を生み出しています。
また、伝統的な日本建築特有の深く持ち出した庇(グリーンイーブス)を設けることで、直射日光を遮ることができ、施設の環境性能の向上に寄与します。
国体道路から大濠公園への通り抜け空間「アーバンスリット」は、公園への新たな玄関口となるとともに、美術館を軸に、街と公園をつなぐ機能を果たします。アーバンスリットにはレストランやミュージアムショップなどの施設も隣接し、美術館や公園に新たなにぎわいをもたらします。
美術館の中央から東西にのびる大きな吹抜空間「メディアヴォイド」は、その空間を生かした作品が展示されるとともに、隣接する多目的ルームやワークショップスペース、展示室の活動がにじみだし、新たなコミュニケーションが生まれる場となります。
コレクション展示室や特別展示室は各3部屋ずつ設けており、様々な展示形態に対応できるつくりになっています。特に特別展示室①では、吹抜空間を活用することで大型作品を展示することができ、これまで実現できなかった展示を行うことが可能となります。
県民の皆さんが作品を発表する展示室(県民ギャラリー)は、国体道路に面しており、ガラスを多用することで、外からもアート活動が感じられるつくりになっています。
スタジオやワークショップスペース、キッズスペースは大濠公園に面しており、美術館での活動が公園側へも広がるように配置されています。3階の屋上広場やライブラリーカフェは、大濠公園を一望する絶景ポイントであり、くつろぎながら景色を楽しんだり、交流を深めたりすることができます。
建物の素材には福岡県産材や自然素材を積極的に使用し、あたたかでやわらかさのある空間を作り出します。