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お知らせ
「新福岡県立美術館整備事業基本設計プロポーザル」の二次審査結果のお知らせ
2023.02.17
2023.01.04
この「できるまでサイト」では、私たち新県立美術館建設室が、サイトをご覧いただいている皆さんにより深く知っていただきたい! と思うトピックについて、外部ライターによる取材記事を不定期で発信していきます。
第1回は、現在進行形の設計者選定プロポーザル公開審査の話題です。
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新しい福岡県立美術館の基本設計に取り組む設計者を選ぶ公開一次審査が、去る11月28日(月)にアクロス福岡国際会議場で開催されました。
2022年8月23日から11月7日までプロポーザル方式*1で公募を実施していた「新福岡県立美術館整備事業基本設計プロポーザル」。2ヶ月半の公募期間で、全国から39者もの応募が集まりました。
*1「プロポーザル方式」…業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、目的物に対する企画を提案してもらい、その中から提案を行った者を選定・契約する。提案内容に拘束されるのでなく、提案者を選定する方式のこと。
ここから、今回の一次審査で39者 → 4者程度に絞られた後、来年1月に実施が予定されている二次審査を経て、最優秀者が選定されていきます。これら2回にわたる審査は、新県立美術館への県民の関心を高めるべく、一般の方々も傍聴参加できる公開型審査として実施されます。
進行予定表 | |
13:00 | 開会 主催者あいさつ・事務局説明 |
13:10 | 意見交換(2時間) |
15:10 | 休憩(20分) |
15:30 | 投票 |
17:10 | 結果発表 |
17:20 | 閉会 |
この日の一次審査では、まず美術館や建築など様々な分野の有識者7名から構成された「選定委員会」のメンバーが紹介されました。
区 分 | 氏 名 | 分 野 | 所 属 |
委員長 | 宮城 俊作 | 都市デザイン | 東京大学大学院 教授 |
副委員長 | 小林 正美 | 建築 | 明治大学 教授 |
委員 | 稲庭 彩和子 | アートコミュニケーション | 独立行政法人国立美術館 本部主任研究員 |
内田 まほろ | ミュージアム | 一般財団法人JR東日本文化創造財団 高輪ゲートウェイシティ(仮) 文化創造棟準備室長 | |
坂井 猛 | 都市計画 | 九州大学大学院 教授 | |
島 敦彦 | 美術館 | 国立国際美術館 館長 | |
中村 拓志 | 建築 | 株式会社NAP建築設計事務所 代表取締役 |
そして公募の際に提示された新県立美術館の以下2つの主題を軸として、各者の提案プランをひとつずつ見ていく意見交換がスタートしました。
主題1:公園と一体となった美術館
「公園と一体となった美術館」を実現するため、計画地にふさわしい美術館の外観デザインとランドスケープ、ゾーニングについて提案を求めます。
主題2:県民が親しみ、誇りを育む美術館
「芸術の可能性を拡げ、挑戦する美術館」、「九州・福岡県の文化芸術の発展に貢献する美術館」の2つを両輪とし、県民や芸術家が主役となり、県民とともに成長する、「県民が親しみ、誇りを育む美術館」を実現するための、基本的な考え方や空間構成等について提案を求めます。
1者あたり数分ずつの審議を39者分すべて行っていくという、怒涛の2時間。委員も傍聴者もさっそく集中力MAXです。
各者が提案するプランについても、主題に正面から応えにいくものもあれば、独創的なアプローチで主題を解釈し直すものまでさまざま。委員たちによる議論にも熱がこもります。
休憩をはさんだ後、審査会の後半は委員による短評の発表から再開。審査にあたって重要視した評価のポイントについて、各委員からお一人ずつ、ご提起がありました。
・美術館としての機能性
展示空間や収蔵庫、スタジオなどの使いやすさ・管理しやすさ、来館者アクセシビリティへの視点など
・景観との調和
大濠公園と日本庭園という大小2つの既存園との関係性や文脈、スケールの選択
・周辺環境との連携や連続性
隣接する福岡市美術館との/道路側との/大濠公園との/近隣市街地の六本松との…など様々な「外部」との関係
・福岡らしさ
県知事の目指す「世界に負けない美術館」という発想も含め、どのように「福岡ならでは」「福岡らしい」美術館とするのか など
そしていよいよ投票審査へ。
二次審査へ進出したのは、以下4者です。(五十音順)
そして4時間超にわたる公開一次審査は閉会へ。
最後に宮城俊作委員長より、今回のプロポーザルが提案者に求めるお題は、一委員の立場からしても「大変難しい課題」であったことを認めつつ、二次審査での選定4者による次なる提案への期待を込めて、ご挨拶を締めくくられたのでした。
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次回、最終となる二次審査は2023年1月21日(土)に西鉄ホールにて開催予定です。
選定された4者はどのような提案を届けてくれるのでしょうか。
今からその日が待ち遠しいですね。